コロナ禍での中小業者や生活困窮者の支援を求める
2021年06月15日
2021年6月15日、福岡市議会の議案質疑で、松尾りつ子市議はコロナ禍での中小業者や生活困窮者の支援について取り上げました。
緊急事態宣言の延長に対応して、福岡市は中小業者への新たな支援策としてプレミアム付電子商品券事業を実施しますが、デジタルに対応できない中小業者や市民を排除することになるのではないかという心配が上がっています。また募集期間も短く知らない事業者や市民も少なくありません。
松尾市議は、電子商品券だけでなく紙の商品券も発行すること、期間を十分に延長し周知をするよう求めました。
しかし、従来の市・県・国の支援策だけでは中小業者の苦境は救済されず、今回の商品券も、市内に7万か所の中小企業がある中で5000店舗しか対象にしていません。松尾市議は、酒屋・肉屋・魚屋などの卸売業者をはじめ洋品店、イベント業、映画会社などの実態を紹介し、幅広く支援できるメニューが必要だと指摘。持続化給付金の再支給や消費税減税の国への要請、幅広く使える福岡市独自の持続化給付金の創設を求めました。
髙島市長は、これまで補正予算や当初予算で「総合的に支援してきた」として松尾市議の求めには応ぜず、国に対しては、内容を示さず、「機会をとらえて要望する」としか答えませんでした。
国が「生活困窮者自立支援金」の支給をすることを決め、市長は今回の議会にその実施のための補正予算を提案しました。コロナ禍での失業・休業などが原因で生活に困っている世帯に対して生活福祉資金の特例貸付が行われていますが(社会福祉協議会が実施)、今回の支援金はこの特例貸付を限度額いっぱいに利用しているなどの世帯に支給対象が限定されています。つまり、目いっぱい借金をしているなどの世帯でなければ支援金を渡さないのです。
これに加え、住民税非課税レベルの収入以下という厳しい収入要件があります。さらに、単身世帯で貯金が70万円あれば対象外、求職活動や保護申請をしているなど幾重にも厳しいハードルを超えないと支給にこぎつけません。
松尾市議は、コロナで収入が大幅に減り、特例貸付を200万円いっぱいに借りているタクシー運転手の世帯の事例を取り上げ、2人の子育てのために妻が必死でパートをしているために収入要件をオーバーし、今回の給付対象から外されるという不合理が起きていると批判。「借金をしないと受けられない制度は問題ではないか」「さまざまな要件を設けてしまえば対象にならない人がたくさん生み出されるのではないか」と追及しました。
その上で、他の生活困窮にも手だてをとるよう求め、生理用品の学校・公共施設での無料常備、学生支援特別給付金の再支給を提案しました。
市長は、「国の支援に基づいている」と責任逃れをした上、「生理の貧困」やさらなる学生支援には背を向けました。